企業が抱える“問題の本質”を捉え、即戦力を大量採用

「応募が来ない」「来たとしても、選考の途中で辞退されてしまう」。そんな状況の中、単に応募数・採用数を増やすのではなく、根本的な課題を洗い出し、改善に導いた取り組みについて詳しくご紹介します。

PROFILE

企業が抱える“問題の本質”を捉え、即戦力を大量採用

K.K

2014年入社 HRコンサルティング事業部

採用をお手伝いさせていただいたのは、新しい取り組みに挑戦しているベンチャー企業。このような最先端の領域で人材を増やすことは、社会の未来を作っていくことにつながります。今後もますます自分らしい価値を発揮できるようにしたいです。

設立間もない小規模のベンチャー企業

クライアントは、会社の新規事業立ち上げを支援するコンサルティング企業。設立5年以下で従業員数は30名もおらず、いわゆる“ベンチャー企業”にあたります。長期間にわたって、即戦力となる20代後半~30代のコンサルタントを募集していました。

しかし現実はそう上手くいかず、会社として先進的な取り組みをしているものの認知度がまだ低いこともあり、応募自体が集まりにくいという課題がありました。また、守秘義務の関係で具体的な内容でのアピールがしづらく、「ベンチャー」「新規事業コンサル」といった普遍的な表現しかできませんでした。加えて採用の専任者がおらず、応募者対応のスピードや個別の打ち手も打てていない状況。選考の途中で辞退されることが相次いでいました。

“優秀な人材”って、どんな人?

元々、「優秀な人材を採用したい」というご希望を伺っていたため、「では御社にとっての“優秀な人材”とは?」を再定義。実際の仕事内容や期待値から、応募者に求める“必須項目”と“歓迎項目”を整理しました。さらにベンチャー企業である特徴を活かし、企業の現状・カルチャーなども参考に、活躍できそうな人材を設定しました。

実際にお話しを深掘りするなかで、「優秀な人材」という条件から「自社ビジョンへの共感」「0から1を生み出した業務経験」「コンサルタント領域における専門性」という必須条件が明らかに。それら抽出した内容をもとに、改めてターゲットを再設定しました。

結果、抽象的だった「優秀な人材」の中からターゲットとする・しないの整理ができ、採用の可能性を高めることに成功しました。

ターゲットにとっての魅力とは?

「業務内容」「働き方」「企業の魅力」「募集条件」「その他」と大まかなカテゴライズをしながら、クライアントの魅力を洗い出し、整理しました。その上で、先ほど決定したターゲットをベースに「現職の不満」や「転職で実現したいこと」を細かく設定。様々なデータをもとに、訴求のテーマを定義しました。

今回の場合、「働き方」「企業の魅力」は弱いものの、「業務内容」「募集条件」については他社に勝てる要素が多かったため、後者2軸を武器にアプローチをかけることに。実際のアプローチについては、まず弊社人材紹介サービスにご依頼いただき、サーチを実施。外部のデータベースも活用しながら、クライアントならではの魅力をスカウト・面談で訴求しました。

結果、スカウトの返信率は20%を記録し、多くの候補者にお会いしながら活躍の可能性が高そうな人材をご紹介しました。

応募が来てからが本番です

応募者をどう採用にまで結びつけるかも非常に重要です。特に、他社からの引き合いも多い人材がほとんどの状況で、「ここで働きたい」と決意してもらうための材料が必要になります。そこで求職者が応募してから採用されるまでのプロセスにおいて、企業に価値を感じてもらうための“候補者体験”を一から設計しました。

具体的には、書類選考・面接における合否連絡のスピードをはじめとした、細かい選考フロー・コンテンツの設計です。選考フローとしては初回面接に説明会を加え、会社・事業を知ってもらったうえで入社後にお任せしたい業務のすり合わせまでをする、という形で実施しました。ベンチャー企業で非常に重要な「社風」については、面接を対面で実施することで、会社見学や実際の従業員とラフにやりとりをしてもらうような仕組みにしました。

結果、面接だけでは見られない社内の雰囲気はもちろん、従業員と雑談も交えてもらうことで多くの候補者に働くイメージを持ってもらえました。そのほか、候補者の志望度に合わせた社員面談・人事面談などを設定し、内定から入社までのフォローを実施。また、細かいところですが、従業員一人ひとりにも役割を与え、お茶出しの際に一声かけるなど、会社総出での対応をお願いしました。

結びついた結果

15名の面接から、10名の採用を実現。まさに“優秀な人材”を迎えることができ、事業成長のスピードを加速させることができました。ご入社いただいた方の多くは、現在も活躍しています。

残念ながら選考途中で辞退になる方もいましたが、その後別の機会で仕事を一緒にするなど、採用企業と候補者という関係だけではないつながりを築けることができました。
また、今回得た成功体験を別の採用手法にも応用し、人材紹介以外での採用も支援している状況です。

下準備こそが、成功の秘訣

ベンチャー・スタートアップ企業において、人材採用は非常に重要なテーマです。特に、事業の推進を支えるコア人材の確保に悩まれている経営者は多いでしょう。実際に求職者が入社する企業を選べる売り手市場が続いている中で、「辞退が多い」「応募が集まらない」という声は多く聞いています。その際に「採用者の条件・ハードルを下げる」というのも、一つの手段かもしれません。

しかしながら、今回の事例のように採用に関わる細かい部分を見直しながら、全体設計をしていくことで、理想の人材を採用できる可能性は飛躍的に高まります。力や時間がかかる取り組みも多くありますが、一つひとつの項目に目を向けることが大切です。これから入社する人にも、まずは目の前のあるお客様のためになることからコツコツと取り組んでほしいと思います。
  • TOP
  • 事例
  • 企業が抱える“問題の本質”を捉え、即戦力を大量採用