『採用成功のカギ』は、人事制度の改革!?

新規&既存店舗の安定運営を両立するには、人手が必要不可欠!だけど応募が全然来ない。応募が来ても採用ができない。離職も続いている…。そんな中、営業マンが採用数アップのために出した最初の一手とは?さらに、募集を出しても応募が来ない地方の採用を成功させた、起死回生のアイデアとは?求人広告の枠を飛び越えて実現した、事業計画の立て直し事例について、詳しくご紹介します。

PROFILE

『採用成功のカギ』は、人事制度の改革!?

N.H

2016年入社 営業本部

採用ができない=事業拡大のチャンスを失う。そのような会社の実態をお伺いし、単純に広告にかける予算を増やすのではなく、人事制度の変更からお手伝いできたのは、今でも大きな自信につながっています。“事業成長のパートナー”として選ばれる営業になるために、これからも精進していきます!

1969年設立の成長企業

大手ドラッグストアやスーパーに並ぶお肉の販売をしている大三ミート産業。自社で小売店を運営するのではなく、取引先店舗の精肉コーナーを借りて商品を提供するテナント事業が強みです。出店・集客にかかるコストが低いため、近年は急激に業績が拡大。全国340拠点・従業員数1600名という規模で、精肉テナントにおける日本一の企業を目指しています。さらに最近は取引先店舗の新規オープンが増えており、それに合わせて精肉スタッフの人員確保が必要な状態でした。

明かされる会社の危機

もし人員が足りなければ、どうなるか。取引先の出店計画に対応できないわけですから、テナント要請の減少や、最悪の場合は取引停止になる可能性があります。つまり、採用を成功し続けることこそが、会社の発展につながる生命線なのです。

しかし、当時の状況は悲惨でした。求人を出したとしても応募が集まらない。なかなか採用ができず、やっと縁があっても定着しない。慢性的な人材不足が続いていました。特に地方での採用は難しく、首都圏のスタッフを異動させたり、事務さんを精肉スタッフとして応援に向かわせたりすることも。結果、ずっと働いていたメンバーからの不満が高まり離職が増加。事業拡大どころか、縮小リスクすらよぎるような危機に直面していたのです。

これが最善策!と思いきや…

この状況を打破するために、まず課題として置いたのは、各店舗が独自に採用活動をしていたこと。そのため、つい日々の店舗運営に追われて応募者の対応に手が回らない⇒いざ選考をしようとしても連絡が付かない、という事態が発生していました。そこで、全国の採用を1つの事業所で一括して担う体制を構築。人事責任者がまとめて丁寧かつスピーディーな対応を進めることで、都市部での採用を成功することができました。

次に課題となったのは、やはり地方での募集。しかも取引先の出店は圧倒的に地方が多かったので、なんとしても問題を解決する必要がありました。その時、営業ツールを駆使してわかったことは、各県の求職者のうち「地元で働きたい」という志向性の人が半数以上いること。特に販売・サービス系の仕事をしている人に多い傾向でした。そこで私が導き出した結論は、各エリアで地元志向の求職者に向けた原稿を展開するべきだということ。今を変えるには、これしかないと確信しました。

しかし、ここで問題が一つ。会社の制度上、正社員の全国転勤は必須なのです。この歯がゆい事実に私が出した答えは、採用担当者への直談判でした。「どうか正社員であっても“エリア限定採用”を人事制度に加えてください!」。データや数値を提示しながら、ご理解いただけるように説得しました。私の形相に最初は驚かれていたものの、次第に真剣な顔つきになり、しばらく黙り込んだ後に一言。「平岡さんがそこまで言うなら…わかりました。前向きに検討します!」。お互いパッと晴れた表情になり、どちらからともなく、握手を交わしていました。

ただ話がスムーズに進んだわけではなくて。今いる社員は転勤があるままでいいのか?不平不満が出るんじゃないか?給与はどう設定すればいい?など、様々な議論があったそうです。難航を極めましたが、結果『これからの事業拡大に不可欠な制度』だと役員が承認。無事に第2フェーズを歩み始めることができました。

「エリア限定採用」の第一歩

漠然と「地元志向の求職者」といっても、まだまだ詳細を明確にする余地があります。そこで、

<経験・スキル>
地方近隣に住む飲食業界経験者、および販売・サービス業の経験者

<志向性>
次の仕事も販売・サービス業を希望している。新型コロナウイルスの影響を受けて、安心・安定して働ける環境を求めているが、「地元で働く」という条件だけは譲れない。

このようにターゲティングを実行しました。ではこのような求職者にとって、大三ミート産業様のどんなところがメリットに映るのか?大きく分けて3つ浮かびました。
  1. 希望のエリアで長く働ける・転居を伴う転勤がないという「転勤なし」
  2. コロナ禍においても積極的に拠点数を増やしており、売上も右肩上がりだという「将来性」
  3. 十分な休日数・明確な評価制度・充実した各種手当などの「安定性」
これらを求人原稿の目立つ位置に記載することで強く訴求し、有料オプションの使用・工夫をすることで、今回のターゲットに最大限振り向いてもらえる仕組みを構築しました。

期待以上の採用大成功


ふたを開けてみれば、エリア限定採用を導入したことで、採用数が280%に!採用数0だったエリアも、見事採用ができるようになりました。さらに現地での採用がスムーズになったことで、首都圏からの異動・転勤の回数も減少。当初のミッションに加えて、結果的に従業員の満足度が高まり、定着率改善という効果にもつながりました。

もちろん、テナント要請にしっかり応えられるようになり事業は拡大。取引先からしても計画的に店舗を増やせますし、求職者にとっては地元で活躍できる場を手に入れられたことに。まさにWin-Win-Winの関係性を創り出せたわけです。お客様からは「すごく順調に事業を展開できるようになりました。この調子で次は年間50名採用をお願いしますね!」と、またもや挑戦のしがいがある話をいただいてます。

成長したのは、お客様だけじゃなかった

この事例から得られた経験は2つあります。1つは『どんな求人であっても、誰かにとっての天職になること』。いわゆる採用が難しいエリアや仕事は、世の中にたくさんあります。でも“誰に・何を・どう伝えるか”を意識することで、即戦力の人材と出会うことができるんです。次に『何としても採用を成功させたい意志が、最後に実を結んだこと』。たとえ会社にとって前例のない“エリア限定採用”であっても「これがベストだ」と胸を張って提案することで、これ以上にない効果をお返しすることができました。

目の前の“人手不足”を解決するだけでなく、事業・会社の危機を救うことができる。これぞまさに、求人広告代理店の営業職として一番のやりがいです。
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